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抗がん剤治療の有用性

抗がん剤治療は、がん治療を大きく変えました。進行がんの患者の寿命を延ばし、以前は治らないと言われた白血病が、抗がん剤治療によって5割が治るようになり、最近は固形がんでも、放射線治療と抗がん剤治療との併用で、治療効果を上げる例が出てきました。

抗がん剤治療の泣きどころであった強い副作用も、吐き気などを抑える支持療法の発達や投与方法の工夫によって軽減され、患者がつらい思いをすることも少なくなってきています。

抗がん剤治療はまだ歴史が浅く、手術療法が約100年、放射線療法が約50年ですが、抗がん剤治療は約35年ほどです。しかし、抗がん剤治療は、がん治療において重要な位置を占めるようになっています。

例えば、早期の段階で発見され、狭い範囲にとどまっているがんであれば、手術によって切除する治療が効果的です。放射線治療も、がんがある範囲にだけある場合には効果を発揮します。

しかし、がんは進行するとリンパや血液に乗って、全身に転移していくので、発見されたときからがんが全身に転移していることもありますし、手術や放射線治療を受けた後、再発して転移が起こる人もいます。こうした患者さんに対しては、局所的な治療ではなく、抗がん剤治療のように、全身に効果を発揮する治療法が必要になります。

抗がん剤治療は、進行がんの患者さんの延命期間を延ばすことに成功しただけでなく、がんの種類によっては、治すことができるようになりました。特に抗がん治療で成績が優れているのが血液系のがんで、白血病なら50%の治癒率を誇っています。

血液系のがんに効果を発揮するようになっても、固形がんに対しては延命効果が期待できるだけで、治癒まで持っていくのはなかなか困難でしたが、最近では、がんの種類によっては、固形がんでも治癒が期待できるようになっています。例えば、食道がんの場合、抗がん剤治療と放射線治療の治療成績はほぼ互角ですが、治療後のQOL(生活の質)を考えると、抗がん剤と放射線の併用療法に軍配が上がりそうです。

食道がんの手術では、食道を取って胃をつり上げたり、がんのできている部位によっては、胃まで切除することになります。そのため、十分に栄養を吸収できずにやせてくるなど、手術の直後から栄養障害が深刻な問題となります。

それに比べ、抗がん剤治療と放射線治療の併用は、治療を行っている1〜2カ月は副作用でつらい思いをしますが、治療後の生活には影響を及ぼしません。

ただし、抗がん剤治療はどんな患者さんにも行っていいものではありません。抗がん剤治療は、がん細胞をたたくだけでなく、正常細胞もたたいてしまうという側面を持っているため、患者さんの全身状態が良好でないと、かえって好ましくない結果を招いてしまうこともあるからです。

抗がん剤治療の効果は、がんの種類でまったく異なっています。抗がん剤治療がよく効くがんもあれば、ほとんど効かないがんもあります。抗がん剤治療の効果の程度によって、「よく効くがん」、「ある程度効くがん」、「ほとんど効かないがん」という3つのグループに分けることができます。

よく効くがんとは、抗がん剤治療によって、治癒が期待できるがんのことで、急性骨髄性白血病や悪性リンパ腫がこれに該当します。これらのがんには抗がん剤治療が効果的で、抗がん剤治療を行わなければ助からないし、抗がん剤治療を行えば、50%ほどの確率で治癒することがわかっています。

ある程度効くがんとは、効けばがんが小さくなり、延命効果が期待できるがんを指し、胃がん、大腸がん、子宮がん、前立腺がん、膀胱がんなどが該当します。

ほとんど効かないがんとは、抗がん剤に対する感受性が低く、抗がん剤治療を行っても、縮小するのもまれながんのことで、スキルス性胃がん、悪性黒色腫、膵臓がんなどが該当します。

抗がん剤治療の効果は、抗がん剤の使い方によっても違いが出ます。例えば、単独で使った場合には十分な効果が期待できない抗がん剤でも、いくつかの薬を組み合わせて使うことで、大きな効果が現れることがあります。

大きくなったがんは、いろいろな種類のがん細胞が混在していることが多いため、1種類の抗がん剤治療だと、ある種のがん細胞には効くが、ほかのがん細胞には効きにくいということが起こりがちです。ところが、数種類の薬を併用すると、ある抗がん剤が効きにくい部分にも、別の抗がん剤が効く可能性があります。このため、1種類の抗がん剤で治療するより、多剤併用療法のほうが治療効果が高くなります。

2007.05.01.08:20 | Permalink | Track Backs (0) |